「平城宮いざない館」は、平城宮跡の朱雀門南側、朱雀門ひろば内にある施設。
少し離れたところには遣唐使船の展示スペースもあり、発掘された出土品などから見えてくる当時の様子を理解することができます。
今回は平城宮いざない館の見どころをご紹介します。
館内で奈良時代の平城京を体感!

まずは「平城宮のようす」とタイトルの付いた展示室へ。こちらでは実際どのような感覚で数々の建物が建てられていたかが解説してあります。
今復元で残っている大極殿は、今でいうところの国会議事堂だとか。

そのまま「往時のいとなみ」と題されたブースへ続きます。こちらではこの時代に暮らす人々を現代に置き換えて説明するなど、とても興味深い内容のものがいっぱいでした。
この時代の勉強でよく聞いた右大臣左大臣の年収は何と3憶円超え!!ところが現代の公務員の主任クラスだと年収360万円とかで一気に現実的なのが笑えます。
それでも彼らの自宅は150坪。さすが平城京。土地だけは広大ですね。

大極殿の複雑な作りなども展示されていて当時の技術の高さがうかがえます。
またこれらのことが詳しくわかったのは出土品のおかげ。実際に今でも平城宮跡では日々発掘調査が行われ次々と研究が進められています。それら出土品の一部が公開されていました。

また出土品の中の木簡は当時の様子を詳しく知る手立てのひとつ。書き残すということの大切さを改めて感じます。
ただ単純にメモ書きのようなものも見つかっているのはご愛敬。そういったものこそ今とそう変わらない人間の暮らしを感じさせてくれます。

数年前に遷都1300年祭が行われた際には現代に生きる私たちも好きなことを木簡に書き記すというイベントがあったんですよ。それをこちらに埋蔵してあるそうです。
この先1000年ほど経ったらオープンするとかしないとか。ロマンですね。
存在感がすごい!「遣唐使船」

これは間違いなくあの有名な「遣唐使」を乗せた船。

乗船フリー(無料)で、誰でも乗船することができます。

朱色が目に鮮やかで一瞬豪華に見えますが、「この船で中国まで行ったのか……」と想像し、しばし絶句。
当時の技術を思えば最高級のものが詰め込まれているのでしょうけど、やはり21世紀からしたら心もとなく感じます。
天候に恵まれスムーズに進めば中国までほぼ1週間で渡れるそうですが、18隻のうち14隻しか帰ってこなかったことからもそのハードさがうかがえます。

時間によっては水が噴き出し、まるで出航さながら。
天気の良い青空に独特の赤が映えていました。時空を超えた旅を楽しむことができる平城宮いざない館で奈良時代へタイムスリップするひとときをぜひお楽しみください。
- 入場料:無料
- 営業時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
- 定休日:2月/4月/7月/11月の第2月曜日(祝日の場合は翌日)、12/29~1/1
- アクセス:ぐるっとバス(運賃100円/土日祝日を中心に20分間隔で運行)「朱雀門ひろば」下車すぐ
- Web:https://www.heijo-park.go.jp/area/suzakumon/izanaikan/